【コラム】外国籍介護職スタッフは、質の変化と個人能力差への対応が必要

全国展開する有料老人ホームに勤務しています。スタッフリーダーとして、若手の介護士さんの指導も業務として行っています。いろんな規模がありますが、私が勤務する関東の施設では50人程度の利用者さんを10人弱の所長以下のスタッフでお世話させてもらっています。足らずは外部の力を借りながら、利用者さんの満足度と、人件費を含めた支出の削減の中で,あくせくしながらも日々業務を遂行しています。

国の方針で「外国人の介護職を雇用すべし」という大号令が出て、大手の高齢者対応施設は無視するわけにもいかないし、実際に人手不足であり、人件費のショートも念頭にこの数年東南アジアの諸国からの介護職を導入しています。私は該当施設では、日本人、外国人関係なく指導&育成という役割があり、施設内でも彼ら外国籍の介護職員と接する時間が長いです。

最初の介護職の職員が我々の施設で働いたのは、7年前になります。当時は国の法令も完備されておらず、技能実習生として働いていました。いわゆる在留資格の管理に気を使いました。ただその頃の初期の外国籍介護職員は、志が高く、日本語も利用者とのやりとり、日本人スタッフとのやりとりでメキメキ上達していきました。

また利用者さんとの接し方も「自分の国に貴女のおばあさんがいるでしょう。そのおばあさんが体が弱っているから、介護するつもりで接したらよい」という指導でだいたいがうまく回っていきました。

その後、外国人介護人材の在留資格として、「EPA(経済連携協定)」「在留資格 「介護」」「技能実習「介護」」「特定技能1号「介護」」の4つの制度が揃うようになりました。そうなると、日本にやってくる人たちも多くなり、質の変化も最初の頃のパイオニアの人たちとは異なってきました。日本語をまなぶ姿勢を身に着けさせることが最初に必要なことと感じています。

ただ高齢者施設内で「日本語教室」を開催するわけには行かないので、介護業務を通して日本語の勉強をしている意識をもつように誘導しました。そして大事なのは、「自国のおばあさんに対するように、接しなさい」というだけではなく、外国籍介護スタッフに接する人間は彼らの文化を理解するようにもしました。それぞれの国の文化や歴史的背景、宗教等による価値観の違いをお互いに理解することで、かなりお互いのイライラ感が減ったのは確実でした。

私の施設では、利用者さんにも外国籍介護スタッフの国の情報を自然な形で流すようにしています。そして利用者さんにもおおむね好評ではあります。これは少し安心しました。それと仕事をする時に指示を出す際には、具体的で明確な表現を心がけています。彼らは必ず復唱してくれるので、口にしたことは必ずしてくれるのである意味日本人スタッフよりは安心なところもあります。

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